DOLBYの基礎知識 第7 回目 MLPロスレスについて

MLPロスレス


MLPは英国メリディアンオーディオが開発し、ドルビーラボラトリーズがライセンス許諾を行うオーディオコーディング方式です。ロスレス方式（可逆圧縮）は、知覚型あるいは非可逆型データ圧縮と異なり、エンコード・デコード過程を通してデータをビット精度で完全に保持するため、ソースプログラムの完全な伝送を保証します。データ圧縮効率はソースにより異なりますが、典型的には全体のデータレートをおよそ2:1に削減します。MLPは特にマルチチャンネルや、高サンプルレート、高解像度のオーディオを処理するために最適化されており、音楽再生に新たな次元を求めるDVD-Audioのようなアプリケーションを想定して簡単にデコーダ機能が組み込みできる方式です。
DVDフォーラムは、1999年2月9日に、DVDオーディオのディスク規格バージョン1.0の承認を発表しました。この規格は、ロスレス圧縮符号化システムとしてMLPを含むとともにコンテンツプロバイダがビデオクリップにドルビーデジタル音声をオプションとして使用することも可能と定義しています。

汎用性の高いドルビーデジタルとあくまでも音質にこだわったMLPのふたつの音声ストリームをディスクに配することで、DVD-Audioは消費者に既存のどんな音楽メディアよりも優れた音楽再生の体験を提供することが可能となります。